素足が嬉しい杉の木の家。



●ぬれ縁のある大きなリビングは暖炉つき。素足がうれしい杉の木の家。


久米町の美しい田園風景の中に立つ荒谷邸を訪れると、一番に目にとまるのが懐かしい縁側。「近所の人がみんな、通りすがりにここに座って行ってくれるんですよ」と、うれしそうに教えて下さいます。荒谷家は、ともに78才の荒谷春久さんと清野さん、そしてポメラニアンのキビちゃんの二人と一匹暮らし。昨年建て替える以前は、古くからの茅葺き屋根でした。建て替えよう、という話が持ち上がったのは、清野さんの足の具合が悪くなってきたことがきっかけ。時折、京都に住むお二人の様子を観に帰って来られている娘の美世子さんを中心に、より安全で心地良い家を、と、家づくりが始まりました。
●何よりも優先したかったのは、安全で暮らしやすい家であること。
そのため、すべてバリアフリーなのはもちろん、玄関の上がり框や、冬には掘りごたつになる畳スペースにも、足場となる段が設けてあります。冷え込む冬のためには、寝室とお風呂、トイレ、キッチンに床暖房を採用。お湯であたためるタイプなので、夜スイッチを切って就寝しても、夜中じゅうほんのり温かい、というのは住んでみて分かった嬉しい発見だったそうです。

●そして、何と言っても素敵なのは吹き抜けで広々ととったリビング。

すべて杉材の清清しい空気の中に、太い松の梁がどっしりと通っています。これは、これまで家族を見守ってきた、前の家の梁を活かしたもの。和室の欄間や階段の手摺子も、古い家から蘇ってきたものです。美世子さんは、「このアイデアはとてもうれしかったんです。前の家を壊しちゃったなぁ、というのが気になっていましたから」と語ります。その梁のせいか、すべて杉で創られた部屋の内部は、いかにもな新築の印象とは違い、大事に使い継がれて来た家具やダイニングテーブルがしっくり馴染んで、懐かしさすら感じさせます。2面に大きくとった窓からは春夏秋冬の自然が目に楽しませてくれ、ここに立ち寄る人が後を断たない訳を十分に感じとることができます。